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2009年10月30日
DACとの意見交換会を振り返って ~大橋正明氏インタビュー~
OECDの開発援助委員会(DAC)の対日援助審査のため、DAC事務局メンバーとドイツとデンマークの専門家らによるNGOへのヒアリングが10月22日に実施されました。今回のピアレビューの調整を担った国際協力NGOセンター(JANIC)理事長の大橋正明氏に話を伺いました。
インタビュー日時: 2009年10月22日
場所: 東海道線車中
質問者: 莫カレン(JVC調査研究・政策提言インターン/ODA改革ネットワーク)
莫: 今回の意見交換会の調整に携わったご感想を教えてください。
大橋: DACピアレビューは定期的に行われてきましたが、前回(2003年)と今回との一番の違いは、今回のピアレビューがNGO外務省定期協議会の枠組みの中で開催されたことです。前回は外務省が調整役となってNGOに声かけしたのに対し、今回はJANICや定期協議会の世話人が主導して調整を行った点が良かったと思います。DACも日本のNGOの組織力と自主性を高く評価しました。
莫: 意見交換の場を設定する上で特に配慮した点はなんですか。
大橋: NGOがなるべく効果的に意見を言えるようにすることを優先したいと考えました。できるだけ多くのNGOからインプットをもらえるよう、事前に意見書の提出を呼びかけ、参加団体のプレゼンの時間を短くして、なるべくたくさん議論できるように配慮しました。その結果、インフォーマルで率直なディスカッションができたと思います。
莫: 今回の意見交換でNGO側からどのような声が上がりましたか?またDAC側からはどのような質問がありましたか?
大橋: NGO側は近視眼的な国益、企業益追求のためのODAを改め、より裨益国民が望む援助を実施すべきだと提言しました。JANICが出した意見書には、1)ODAを短期的な国益から切り離すこと、2)ODA実施のための法律と省庁を成立させること、3)日本政府が援助効果により積極的に取り組むこと、が盛り込まれています。他にも数団体が意見書を提出しました。また、NGOは前回のピアレビューの提言が外務省に全く取り入れられていないことを指摘しました。
一方、DAC側は、ピアレビューはあくまで強制力伴わないため、提言内容を政策に反映させるためにはNGOのボイスが重要だとの認識を示しました。そして、できるだけ多くのNGOの意見を提言に盛り込みたい意向があり、意見交換会の場に限らず、引き続きNGOの意見書を受け付けるとのことです。日本語でも構いませんので、ご意見を述べたい団体はJANICへご連絡ください。DACのメールアドレスをお知らせします。また、DACからは、政権交代が実現できた今こそがODA改革を推し進めるチャンスだから、NGOがんばれ!という声援を頂きました。
莫: 逆に反省事項などあれば教えてください。
大橋: 一つは、議論はすべて英語という言語的な制約はあったとはいえ、NGOの反応が必ずしも良くなかったことです。これは、ODA政策という大きな枠組みの議論に対するNGOの関心の低さを示していると思います。今後NGO内での意識向上の取り組みの必要性を感じます。もう一つはDACや外務省側の意識改革です。DACは人道支援と開発支援を別物として扱っており、人道支援に重きを置いているように見えました。外務省も人道支援実績を強調したがるきらいがあります。しかし、日本のNGOの多くはそのように明確に活動の線引きをしていません。我々としては現場のニーズに応じて最適な支援の形を作ることが望ましいと考えており、DACにその考えを受け入れさせるのに説明をしなければなりませんでした。
莫: 今回のDACピアレビューの内容をどのように活かしていきたいと考えていますか?
大橋: DACの提言書は来年5月以降に発表される予定です。それに併せて我々は、DACの提言内容をアドボカシーの道具の一つとして活用していきたいと考えています。ODA改革が一部のNGOのミッションではなく、NGO全体で共有すべきゴールだという意識を広めていきたいと考えており、またより多くのNGOがODA改革に参画できる仕組み作りをJANICとしても進めていきたいと考えています。
大橋さん、どうもありがとうございました。
投稿者 oda_net : 2009年10月30日 13:20