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2009年11月13日
援助効果欠如のコスト
EU諸国が援助効果に関するパリ宣言で謳い上げた5つのコミットメント(オーナーシップ、アラインメント、調和化、成果マネジメント、相互説明責任)を実行に移さない場合に生じるODAの無駄は、年間約30億から60億ユーロ(約4兆から8兆円)にも上る。
そんな試算が、欧州委員会の報告で明らかになりました。
上記報告書によると、EUのドナー国が2007年に調印したODAプロジェクトは22,000件。これをEU全体ODA予算で割ると、1件あたりの平均予算は約70万から100万ユーロ(約7000万円から1億4000万円)となります。しかし、この内の約14%はプロジェクトの調査、形成、承認にかかるコストで、ドナー側の官僚やコンサルに支払われるそうです。報告書では、ODA予算を途上国政府の財政支援に回せば、この分の無駄、約20億から30億ユーロ(約2.7兆から4兆円)、をカットすることができるとしています。
また、報告書では紐付き援助についても触れられており、「紐付き」になることでコストが15から30%も上がるそうです。EU諸国における紐付き援助のODA全体に占める割合が平均約10%であると言われており、この結果、約5億ユーロ(約670億円)の無駄が生じているとのことです。
<参考資料>
こうした数値を用いた「援助効果向上」のメリット分析は、非常にわかりやすく、説得力があるように思います。JICAが実施するプロジェクトについても、きちんとこのようにコスト面から検証する必要があるでしょう。しかし、残念ながら、こうした援助効果向上に正面から取り組んでいる欧州とは対照的に、日本では援助効果向上に関する議論すらあまり為されていないのが実情です。
投稿者 oda_net : 2009年11月13日 16:31