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2009年12月25日

2009年度第2回 NGO外務省ODA政策協議会 報告

12月4日に2009年度第2回目のNGO外務省ODA政策協議会が、福岡市のNPO・ボランティア交流センター「あすみん」で開催されました。同協議会は、年に3回行われていますが、より多くのNGO・市民にODA政策が開かれ、参加の機会を提供することを目的に1回は東京以外の地域で開催することとしてます。今年は、九州の福岡で行われ、福岡を拠点に活動するNGOを中心に26名が参加しました。外務省側も本省から5名(うち課長2名、室長2名)が東京から出張し、福岡のNGOとの議論に臨みました。

以下は、その報告です。

まず冒頭、外務省の牛尾国際協力局開発協力総括課長による開会挨拶から始まり、その後4つの報告がありました(①ODA政策協議会実施要項の改定、②円借款の迅速化、③ODA中期政策改定、④DAC対日援助審査)。その後福岡のNGOが提案した議題に従って協議が行われました。

報告事項のうち、「円借款の迅速化について」は10月28日に東京でNGO・外務省定期協議会の分科会として行われた意見交換会の様子が報告されました。外務省の説明の後、そこで議論された迅速化のインセンティヴに対して、コンプライアンス(環境社会配慮、安全対策、汚職防止)がどう確保されるのかについての懸念点が紹介されました。「ODA中期政策改定について」は、外務省側から、時期的にその時期を迎えているが、政権交代の影響で作業が進められていないこと、岡田外相の示した外交方針のうち「300日の課題」の中にODAの抜本見直しが含まれていることから、改定作業が従来通り進められるのか、あるいはより大きなODA政策の改変がありえるのか、政治方針次第であると報告がありました。こうした忌憚のない外務省の意見が聞けるようになったのは担当課長の資質と新政権になったことによるものだろうと思われます。

協議は、次の2つに集中して行われました。ひとつは「カンボジアにおける強制立ち退き等の人権侵害の発生と日本政府の対カンボジア政府開発援助(ODA)供与について」、もうひとつは「メコン川委員会の役割とメコン川委員会(MRC)に対する日本政府の資金供与について」です。最初のカンボジアにおける強制立ち退きの問題では、まずNGO側がカンボジアにおける人権侵害等の状況への日本政府の厳しい対応を糾す質問を行い、それに対して外務省側が人材育成などを通じてガバナンス改善に貢献していきたいと発言し、いわゆる「欧米的」な介入志向の外交展開には否定的であるとの見解が示されました。

もう一つの議題であるメコン川委員会の役割の問題については、MRCが機能不全に陥っていたことの問題性は外務省も認識しており、そのためODA拠出を止めたことの経緯が説明されました(そのため、現在行われている支援はODA予算ではなく農水省予算)。その後、議論はメコン地域諸国首脳会議で示された「鳩山イニシアティブ」やこの地域でプレゼンスを高めている中国の援助姿勢、そしてそれに対する日本政府の対応などまで及びました。注目すべきは、外務省が「今後のメコン川開発において、本流へのダム建設は日本政府は支持しない。支流も十分検討(少なくとも日本国内でのダム見直しの観点を踏まえつつ)する」と明言したことです。

二つの議論のいずれもインドシナ地域に関するものでしたが、今回の協議会ではっきりしてきたのは、同地域における中国のプレゼンスが確実に広まっていることである。協議会が終わった後、担当課長と話をしていても、中国への対応がいかに難しいかとの問題に収斂されてきます。途上国住民の立場に立てば、NGOとしても、対日本ODAへの批判というだけでなく、広い視野に立って共に考えることも必要かもしれないと思います。

詳しい内容については、後日公開される議事録(外務省ODAホームページ)をご参照ください。

投稿者 oda_net : 2009年12月25日 15:06

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