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2009年12月25日
新JICA環境社会ガイドライン有識者委員会 報告
12月21日(月)午前、JICA(竹橋)で約3ヶ月ぶりに環境社会ガイドライン有識者委員会が開催されました。この間に寄せられたパブリック・コメントと関西及び名古屋で行われたパブリック・コンサルテーションで集まった意見に対する回答とガイドライン案への反映が議論されました。内容が専門的過ぎるためか、広報が悪かったためか、コンサルテーションの参加者は少数で、コメント者も9人(うち2人は海外)に留まりました。それでも、コメントは56項目あり、委員会でひとつひとつ検討しました。
委員会で一貫した論点となったのは、どこまでガイドラインそのものに書き込むかです。解釈の幅を拡げないために詳細に書き込もうとすればするほど、冗長になり使い勝手が悪くなります。しかし、シンプルであれば、それはそれで利用者の理解に限界が生まれかねません。結局、FAQやハンドブックと合わせて使ってもらうことになるのだが、何をガイドラインで書いて、何をFAQやハンドブックに書くかということが問題となりました。
例えば、「人権への配慮」という項目では、「人権に関する国別報告書や関連機関の情報を入手する」となっていますが、それにNGOレポートが含まれるのかどうか、また人権理事会のUPR審査の結果文書なども含まれるのかというコメントがあり、これに対してJICA事務局は「必要に応じて参照の対象となる文書であると認識しています」という回答を用意しました。確かに、個別の報告書名を列記することは難しく、上記の様な表現にならざるを得ないことは分かりますが、このJICAの回答では「必要でないと判断すれば含めない」と解釈することも可能になってしまい、それは委員会の意図ではありません。侃々諤々話合った結果、NGOレポートも含めて可能な限り文書、情報を得るという意味で、「幅広く入手する」という文言に変えることとしました。
こうした議論を、一つ一つの項目について行ったため、結局3時間半という長丁場になってしまった。結果を踏まえて、JICAでガイドライン案及びコメント回答案が修正され、年明け1月15日に再度委員会で確認された後、公表されます。また、ガイドラインそのものは4月に完成版が出版され、施行されるのは7月1日からとなる予定です。しかし、いつのどの時点のODA案件から適用するかに関しては、新JICAとなって新しいスキーム(開発準備調査など)が始まっていることなどから、タイミングが難しく、引き続き議論が残っています。これについても次回の委員会で再度議論することとなりました。
新JICA環境ガイドライン有識者委員会も、ようやく終盤を迎えようとしています。恐らく、次回が最終委員会となるでしょう。専門家が集まって毎回3~4時間の議論を合計32回にわたって行ってきたわけで、合計100時間以上を費やしたことになります。かようにギリギリ議論を詰めてODA政策をつくるプロセスは、極めて貴重であると認識しています。こうした市民やNGOが参加した丁寧な政策づくりは他のドナー、特に中国やインドなどの新興ドナーのモデルになるはずであり、もっと紹介されるべきだと思います。メコン・ウォッチなどでは、新ガイドラインについての解説ハンドブックを出版する企画があるようです。ODA改革ネットは、海外への発信において協力していきたいと考えます。まずは、既につながりがある韓国の市民社会との情報共有から始めたいと考えています。
投稿者 oda_net : 2009年12月25日 15:32